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真剣に信じて上司の人にそう報告し、ばかにされたと言われました。本当は違います。「YMCA」はヤングメンズ・クリスチャン・アソシエイションという、世界でも一番古いとは言えませんが、非常に古いNPOの1つだと思います。産業革命のころの1844年、イギリスのロンドンで、地域の青年たちが非常に長い労働時間を強いられているときに、これではいけない、もう少し違う生き方があるのではないかなということで、12人の青年が始めた運動が今は全世界に広まっております。
例えば、どんなことを今までしているかといいますと、何か自慢みたいですが、確かバスケットボールは今から102年ぐらい前にアメリカのスプリングフィールドというYMCAの大学で出来たスポーツのようですし、バレーボール、ボウリングやキャンプを日本に初めて伝えたのもYMCAであると言われております。
そのように「YMCA」というグループは苦いようで新しいようで、そういうNPOなのですが、それでは一貫して何をしてきているのかというと、やはりボランティア社会を作っていくために存在しているのではないかなと私自身は理解しています。
せっかく来ていただいたので考えていただきたいのですが、この中ではたくさんの方がボランティアをされているということでした。先だってもある会合で、「この会は健全な青少年を育成するグループです」ということで話をしたので、私はちょっとよくわからなくて「健全な青少年って一体どんなのが健全な青少年なんですか」ということを聞きましたら、皆「うーん」と困ってしまいまして、一体何のための会合なんだということになりました。
皆さんはボランティアをどう定義されますか。30秒だけでも、お隣の人とでも結構ですから、皆さんが感じるボランティアというのをちょっとだけでもお話をしていただけませんか。私は5分しか時間がありません。その30秒を差し上げます。よーいスタート。お隣ですよ、お隣。はい、時間になりました。まず私自身が思うボランティアというのを少し紹介をしてみたいと思います。もちろん皆さんのも聞けたらいいのですが、後で質疑応答があるみたいなので、異論、反論があればおっしゃってください。
私自身は、ボランティア社会というのは幸せな社会であるというふうに思っています。幸せというのは、これは先だって、あるシンポジウムで話をさせていただいたのですが、漢字で「幸」は「土」と「¥」。こじつけみたいですが、日本で言う幸せな社会というのは土地とお金を求めている社会。これは「違うで」と思います。私が思う幸せは“仕え合う”ということで、そういう社会が幸せな社会で、いわゆるボランティアの社会ではないかなと思っています。もう少し考えると、例えば共に生きるとか、響き合って生きる、そういう社会がボランティア社会ではないかなと思っています。
それではそういう社会を地域の中でつくっていくために、YMCAがどんなことをしているのかということを少し紹介させていただきます。
いろいろなことをしているのですが、私は、今日これでもいい服を着てきた方なんですが、普段はジャージを着まして、幼稚園に行って子ども達に体育の指導をしたり、今の時間も本当であれば子どもにサッカーを教えているのですが、サッカーの指導をしたり、ちょっと発達の遅れがある子ども達のための体育の教室をやったりしています。特に阪神・淡路大震災以降、もっとより地域の中で市民の方と一緒に何かできないのかということで、いろいろなことをやり始めるようになりました。

 

 

 

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